いつもの光で目が覚めた
さあ祈ろう


土色の大地も
目の色をした空も
立ちくらみのする崖も、谷も
僕を優しく、厳しく
暖かくしてくれる


谷を越えるための翼がない
崖を飛び越すための力がない
空は泣いて僕を濡らすし
大地は時々すごく怒るし
冷たくされる


いつもの夕陽で目をつぶる
さあ、祈ろう



荒野を泳ぐと言った魚がいる
僕はそいつのために祈っている


そいつは川だけじゃ物足りなくなり
この大地を泳ぎたいと言った


それであいつは大地に顎を乗せた、凄いことだ
それは僕が崖を登ることぐらい、凄いことだ


そいつは大地に顎を乗せて、すぐに死んだ
つまり、僕が崖を登ろうとして落ちたようなものだ


崖から落ちないようにと、教えてくれた魚がいた
僕はそいつのためにも、祈っている


[モドル]  [ヒトコト]