ああ、また見えちゃった。
 ”シンフォニー”と呼ばれるこの力は生まれつきのものだから、今更びっくりするような事も無いし、何も見なかったフリをする事にだって慣れちゃったはずなんだけど。
 ――慣れちゃってた、はずなんだけど。

 どうしてだろう。

 ――水色の髪の女の子。
 ――青い……薔薇。

 思わず、口にしてしまった。

 口に出しさえしなければ、彼と関わる事も無くて。
 もちろん、こんな事にだってならなくて。
 私は今まで通り、何も知らないまま毎日を過ごしていて。
 何も変わらないまま、平穏な日常を過ごしているはずだったのに。

 ――ブルーローズ。
 ――青い、薔薇。


「青い薔薇なんて、何処にも存在しないのよ」


 ――そうだ。
 ――そんな当たり前の事に、どうして気付かなかったのかしら。

 ――ブルーローズ。
 存在しない、青い薔薇。

 青い薔薇は、ただ皆と同じになりたくて。
 ただ、それだけ。


「――やっと、分かりました。誰かを殺したいっていう気持ちが」


 ――ブルーローズ。
 捜し出す事だけを、欲していたのかもしれない。
 目的が無くなったら――一体何をすれば良いんだろう。



「俺は――お前に生きていて欲しいんだよ」


 青い薔薇は、決して存在しないもの。
 でもそれって、何故だか分かる?
 生まれてしまった青い薔薇はただ皆と一緒になりたくて。

 その青い花弁を、人間の血で真っ赤に染めるからなのよ。


「それは――いけない事? 一緒になりたいと願う事は、いけない事なの?」


 ――そう。
 たった、それだけの理由なの。


 ……だから。


 だから青い薔薇なんて――きっと何処にでもあるんだわ。

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■ ストーリー ■

 国でも有数の大学が集まる学園都市、ロキシー。
 特に事件らしい事件も起きた事が無いその街で、不気味な事件が頻発するようになる。被害者同士には何の接点も無く、共通点と言えば身体中の血が無くなっているという点、それだけである。
 丁度その頃。
 街の片隅で、小さな出会いが訪れる。偶然にも映ったその出会いは次第に必然へと姿を変え、事件へと結びついて行く事になる。
 美しく咲き誇る薔薇園と、全てを妖しく包み込む夜霧の中で事件の答えは一体何処へ辿りつくのだろうか――。


■ 世界観 ■

 19世紀中〜末のイギリス辺りのイメージです。
 魔法は存在しますが魔力を自ら力に変えて火を起こしたりという事はほんの一握りの人間しか出来ません。魔術師と呼ばれる彼らはとても重宝されています。
 普通の人々は持っている魔力を媒介となる水晶に込め、明かりに使ったり火の変わりにしたり日常生活に役立てています。
 また、機械の動力源にもなっており、機械を扱う時は必ず魔力石を用います。大きさに関係なく魔力を必要とするので銃等も魔力が無ければ扱えません。

■ 登場人物 ■

 
  主人公。シンフォニーと呼ばれる、他人の過去を視る事が出来る能力を持つ。犯罪学者を目指し大学に通っている。
  一寸ズレた言動で周りをハラハラさせる事もしばしば。興味があるモノしか眼中に無い、徹底した学者肌タイプだが……。
 
  ブルーローズを追う賞金稼ぎ。強力な魔術師のみが扱えるとされる魔法銃を扱う事が出来る。が、本人は魔法の一つも使えない。
  いたって軽い性格ではあるが、自分の所為で人に迷惑を掛ける事を極端に避けている。その所為か、大事な事は自分の中に仕舞い込む傾向にある。
 
  左胸に青い薔薇の刺青がある事からそう呼ばれている謎の女。事件現場での目撃情報が絶えない疑惑の人物。


■ システム ■

 選択肢を選んで進んで行くオーソドックスなサウンドノベル形式。好感度等はありません。独立した三つの事件とブルーローズの謎を解くというのが目的になります。
 事件はまずヴェルデの視点で語られ、ヴェルデルートをクリアするとライ視点のゲームが追加されるようになります。ライルートをクリアすると更に……?
 製作ツールは吉里吉里です。動作環境もそれに準じます。
 また、このゲームはGOODEDですらBADに感じる可能性があります。ハッピー主義者の方はやらない方が無難かもしれません。事件自体もかなりエグいモノになるかと思われますので、ソチラが苦手な方もお取り扱いにはご注意下さると幸いです。